ビットコインは昔、「詐欺」や「投機」と言われていましたね。
しかし今ではその地位も確立されつつあり、「デジタルゴールド」や「安全資産」と言われております。
今回はその理由について、実例を用いて詳しくご説明いたします。
- ビットコインはゴールドより優れている
- ビットコインはインフレや経済不安へのヘッジになり得る
- ビットコインを法定通貨としている国がある
- 機関投資家がどんどん参入している
ビットコインの特徴
まずはビットコインの特徴について簡単におさらいしましょう。
- 中央管理者が存在しない
→政府や組織に管理されない、分散型のデジタル通貨 - ブロックチェーン技術の活用
→取引の透明性とセキュリティを確保(不正や偽造が困難) - 希少性
→発行上限が2100万枚と決められており、既に94%が供給済み。
→需給のバランスで今後も価格が上がりやすい。 - 価値の保存、安全資産
→インフレや経済不安のヘッジ手段として利用されている - 取引が容易
→銀行口座を持てない発展途上国でも利用。国境を超えた取引も容易 - ボラティリティ(値動き)が激しい
- 半減期の年とその翌年はバブルになりやすい(24・25年)
- 2024年にETF(上場投資信託)承認・上場
今までの他のアセットにない「独自性」が注目を集めています。
ゴールドとの共通点
それでは本題です。
ビットコインはその性質上、デジタルゴールドと言われています。
希少性がある
ゴールドとビットコインのそれぞれの希少性について、下記表にまとめました。
安全資産としての機能(インフレ・経済不安のヘッジ)
ゴールドは「有事の金」とも言われますよね。
インフレやリセッション(景気後退)、金融危機、コロナ渦などでゴールドは買われました。
最近では対アメリカとの緊張から、中国やロシア政府が「脱ドル依存」を進めており、
ゴールドを大量に購入しています。
参考記事:金、なぜ最高値? 中国・ロシアの中央銀行が大量購入(日本経済新聞)
実はビットコインも、「安全資産」として機能しているのです。
実例①米国銀行の相次ぐ経営破綻(2023年)
2023年、米国でシリコンバレーを中心とした銀行破綻が相次ぎました。
特に、ファースト・リパブリックの破綻は過去2番目の大きさです。
銀行名 | 規模(22年末時点) |
---|---|
シリコンバレー | 全米16位 |
シグニチャー | 全米29位 |
ファースト・リパブリック | 全米14位 |
その当時、経済への懸念から金やビットコインが急速に買われました。
3月10日のシリコンバレー銀行(SVB)の破綻に続き、12日にはシグネチャー銀行が破綻したが、ビットコインは過去24時間で20%近くも急騰している。
ForbesJapan 銀行業界の暗黒の1日が「ビットコインの急上昇」を生んだ理由
実例②高インフレのアルゼンチンで仮想通貨が急速に普及
アルゼンチンと言えば、今では通貨安・高インフレのイメージですよね。
なんと自国通貨のアルゼンチン・ペソはこの16年間で1/150になりました。(対ドル)
また、高インフレも激しく、2024年3月のインフレ率は同年同月比の280%台でした。
そんな中、アルゼンチンでは仮想通貨の普及が急速に進んでいます。
フォーブスのアナリストが7月8日に報告したところによると、アルゼンチンの仮想通貨の採用率は西半球の他のどの国よりも高い。
コインテレグラフ・ファパン:アルゼンチンの仮想通貨の普及が急速に進む
また、2023年11月に行われた大統領選挙では、ハビエル・ミレイ氏が当選しました。
ミレイ氏は大のビットコイン支持者です。
- 中央銀行への強い非難
- ドルやビットコインを含む暗号資産を支持
- 通貨の自由競争を提唱
(国民が自分のニーズに合った通貨を選べるよう目指す)
実際にビットコインが法定通貨として利用されている国もあります。
ETF承認・上場
続いての共通点は、ETF(上場投資信託)に承認・上場されている点です。
ビットコインは2024年に承認され、歴史的瞬間を迎えました。
この点については別記事で詳しく説明しているため、ここでは簡単に。
2024年より巨額の資金を扱う機関投資家がどんどん参入しています。
以上、ゴールドとの共通点でした。
ゴールドより優れている点
続いてはビットコインがゴールドよりも優れている点を紹介します。
こちらはコモディティや暗号資産も含めた世界の時価総額ランキングです。
マイクロソフトやアップルと圧倒的な差を付けゴールドが1位に躍り出ていますね。
今は約14倍もの差がありますが、ゴールドを超えるのも時間の問題でしょう。
ポートフォリオに組み入れるメリット・デメリット
ビットコインをポートフォリをに組み込むメリットとデメリットを紹介します。
メリット
特に①と③の理由から、顧客の巨額の資産を扱う機関投資家に買われています。
デメリット
世界最大の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、ビットコインのポートフォリオ組み入れを検討していましたね。
関連記事:コインポスト
ビットコインを買っている企業
最近ではビットコインを戦略的資産として、積極的に購入する企業も増えています。
- マイクロストラテジー(米国)
→総保有数:約22万6500BTC ※BTCの1%以上 - メタプラネット(日本)
→総保有数:約360BTC
以上、ポートフォリオに入れるメリット・デメリットについて紹介しました。
まとめ
今回は、「ビットコインがデジタルゴールド(安全資産)と言われる理由・保有するメリット」を紹介しました。
ETFが上場し、今後ますますデジタルゴールドとしての役割が期待されるビットコイン。
「半減期」や「ETF元年」、「利下げ」が重なる24年と25年は、その歴史が大きく変わろうとしています。
ポートフォリオの選択肢のひとつとして、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。